二足目のわらじは精神衛生上いい

あまり難しく考えないこと。何だっていい。保育園などで子どものピアノ指導などをしていた女性パフォーマーは言う。

「だれでも、子供の時、好きだったけど、やめちゃったとかいうようなものがあるでしょ。もし、あったら、とりあえず、もう一度、はじめからやってみることでしょうね。先のことなんか、考えずに、おもしろいと思ったことをどんどんやってみればいいんですよ」

そうして活動を始めると、世界が広がる。人生が豊かになる。

「会社関係とはまったくちがう、友だちや仲間ができるのがうれしいですね。いっしょに飲み会でワイワイやったりするのもいいですけど、やっぱり楽しいのは、勉強会をやるとか、展覧会を企画したりすることですね。本当に会社勤めでは味わえない時間を持つことができますからね」(モデラー氏)

まったくである。二足のわらじは精神衛生上よろしい。景気がよくなったといわれているが、実際はどうか。雇用は不安定。非正規労働者は増えるいっぽうだし、誰もがいつリストラ、失業してもおかしくない。運悪くそうなった時に、職場以外に居場所がある、やることがある、喜んでくれる人がいるならば、たいして収入にはならなくても、大きな精神的安定につながるはず。

実は、筆者の知り合いにも二足のわらじを履いている人がいる。会社経営者でありながら、立ち食いそばが大好きで、数多くの店を食べ歩いているうちに本まで出して、いまでは「大衆そば・立ち食いそば研究家」としてテレビやラジオにも出演するなど活躍している。二足目のわらじ。筆者も何か探してみよう。

【関連記事】
『農的な生活がおもしろい』牧野篤著
始発で原稿執筆、週イチ朝食会とボランティアで「二足のわらじ」
「会社にしがみつかない」働き方
「リタイア前にやるべきだった……」後悔トップ20【4】仕事と人間関係
上田準二流「100冊の読書」で100通りの人生を経験