1都3県が合格者の72.8%占める

女子校が強いのも早稲田大の特徴だ。女子学院、豊島岡女子学園の他にも19位に桜蔭、20位に吉祥女子、23位に鴎友学園女子が入っている。慶應義塾大にはない、女子に得意な人が多い国語が、入試科目にあることも影響しているようだ。

昨年と比べて大きく伸びている学校を見ると、もっとも合格者が増えたのが開智だ。昨年に比べて78人増の155人合格。このうち現役合格者が151人で、現役合格率は97.4%にも達している。今年から中高一貫部で入学時の偏差値が高い先端クラスの生徒が卒業したこともある。その上、中高一貫部の生徒が昨年に比べて80人以上増えたことが合格者増につながった。

次に増えたのが頌栄女子学院で61人増の111人だった。このうち現役合格者は106人で、現役合格率は95.5%の高率だ。今年、合格者数が伸びた学校は、いずれも現役合格者数が伸びたことが理由と見られる。

また、ランキングを見ていると、上位は1都3県(東京、埼玉、千葉、神奈川)の学校ばかりということがわかる。46位に初めて愛知の東海が出てくる。1都3県以外の関東地方の学校は66位の土浦第一と水戸第一まで出てこない。

1都3県の合格者が全合格者に占める割合は、10年前の59.4%から今年は72.8%にアップしている。予備校の入試担当者は「近年続いている受験生の地元志向は今年も変わらず、経済的な問題もあって、東京の学校に下宿させてまで通わせる地方の保護者は多くないのです。その上、子どもを手元に置いておきたいと考える保護者も多く、地元への進学を勧めることもあります」という。

近年は地元の大学を選ぶ傾向が強まっているが、それは何も地方の受験生が首都圏などの大学に進学しなくなったことだけではない。同じ地域内でも、自宅から無理なく通学できる大学を選ぶようになってきている。そのため、1都3県の割合が高くなってきているのだ。

最後に学部別のランキングトップを見てみよう。政治経済・法・創造理工・先進理工の4学部が開成、文化構想・文・国際教養の3学部は女子学院、教育と社会科学は湘南、商は豊島岡女子学園、基幹理工は聖光学院、人間科学は栄東、スポーツ科学は帝京大だった。合格者上位の学校が、強みを発揮していることが読み取れる。