医学生は「よく学び、よく学ぶ」しかないと覚悟せよ

<君に問う。人前で堂々と医学を選んだ理由を言えるか? 万一「将来、経済的に社会的に恵まれそう」以外の本音の理由が想起できないなら、君はダンテの「神曲」を読破せねばならない。それが出来ないなら早々に転学すべきである。

さらに問う。奉仕と犠牲の精神はあるか? 医師の仕事はテレビドラマのような格好のいいものではない。重症患者のため連夜の泊まりこみ、急患のため休日の予定の突然の取り消しなど日常茶飯事だ。死に至る病に泣く患者の心に君は添えるか?

君に強く求める。医師の知識不足は許されない。知識不足のまま医師になると、罪のない患者を死なす。知らない病名の診断は不可能だ。知らない治療をできるはずがない。そして自責の念がないままに「あらゆる手を尽くしましたが、残念でした」と言って恥じない。

こんな医師になりたくないなら、「よく学び、よく遊び」は許されない。医学生は「よく学び、よく学び」しかないと覚悟せねばならない>

<最後に君に願う。医師の歓びは2つある。その1は自分の医療によって健康を回復した患者の歓びがすなわち医師の歓びである。その2は世のため人のために役立つ医学的発見の歓びである>

医師を目指す医学生へ向けて書かれたものですが、私はいつもこの記事を見るたびに、身が引き締まる思いがします。私の思いも全く同じです。医師に知識不足は許されません。医師になった後も、よく学び、よく学ばなければいけないと思います。私自身、医学的な知識を身につけることはもちろん、幅広い分野の本を読んで日々勉強するようにしています。

「世のため人のため」、「社会のため」に働くというのは、言葉にすると口幅ったいのですが、これは医学に限ったことではありません。ビジネスの世界や介護現場、教育現場でも同じかもしれませんが、自分が快適に1日1日を過ごして人生を過ごすために何をするかではないでしょうか。何もしなかったら快適ではないですし、人に対して、害を及ぼすようなことしたら自分もあまり気持ちよくありません。自分がいい1日だったと思ういい1日を作る要素は何かを考えると、行動が何に対してプラスか、自分に対して、人に対して、社会に対して、プラスの割合をどのようにするかです。