1億総ケアラー時代に国がするべきことは?

家の近くにケアラーズ・カフェがある人はほんの一握り。介護で悩み疲れたときに、誰もが駆け込める場所になるには、まだまだ相当な時間がかかりそうです。

ケアラーズ・カフェより一足先に登場したのが「認知症カフェ」でした。介護保険制度が施行された2000年のことです。ここは、認知症患者本人と家族が駆け込める場で、ケアラーが相談できる場所、また患者が気分転換できる場所として活用されています。一定の約束事があるデイサービスに行くのが嫌いな患者も、自由度の高いカフェならOKというケースも多いようです。

今年1月に安倍首相が発表した新オレンジプラン(認知症施策推進総合戦略)では認知症カフェの設置促進が盛り込まれています。

それに従い、認知症カフェ開設には自治体から補助金が出るようになりました。ただ、そうはいっても開設を考えるのは認知症の親の介護で苦労した経験を持つ有志の人が多く、運営を軌道に乗せるのが大変ということもあって、現在全国にある認知症カフェは30件ほどにとどまっています。

今後、親の老後のケアの問題はより大きくなるでしょう。自分の親にも、そして自分にも、平等に老いはやってきます。ということは、誰もがケアラーになり、ケアラーにお世話をお願いする可能性があるということ。

「カフェ」はそんな老後に備える、セーフティネットと言えるのではないでしょうか。

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