今年9月、自民党の野田聖子氏が卵子提供による体外受精で妊娠したことを発表した。野田氏は50 歳ということもあり話題となった。

第三者の卵子提供を受けて妊娠したことを公表した野田聖子議員。(PANA=写真)
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第三者の卵子提供を受けて妊娠したことを公表した野田聖子議員。(PANA=写真)

現在、35歳以上の出産を「高齢出産」と呼ぶ。「超高齢出産」に定義はないものの、一般的には50代以上のものを指す。つまり、通常は「閉経後に他人の卵子提供を受けて妊娠する」という生殖補助医療を伴う。

卵子は年齢とともに劣化して妊娠しにくくなるが、子宮は卵子ほど劣化のスピードは早くなく、他人の卵子であれば妊娠ができることがある。不妊治療のうち、体外受精や精子提供は決して珍しくないが、卵子提供は日本ではまだまだレアケースだ。日本では法整備も整っていないが、米国では一般的な不妊治療のひとつであるため、野田氏のように渡米して提供を受ける夫婦が増えている。しかし、「他人が提供した卵子であること以外は普通の体外受精。年齢的にはハイリスク出産だが、日本でも技術的には可能のようだ」と出産ジャーナリストの河合蘭氏は話す。

不妊治療はカネもかかるし、肉体的・精神的負担が大きい。長年の不妊治療の末に妊娠しても出産前に燃え尽きてしまうことも少なくないという。キリスト教徒の多い米国は、子ができない場合には体外受精ではなく養子を取ることも多い。血統主義が根強く残る日本では、卵子提供による体外受精が不妊夫婦の一助になる可能性は高い。

「将来的には卵子提供で産まれた子の『親を知る権利』が課題となるだろう」(河合氏)。生まれてくる子どもたちのための法整備も急務だ。