1カ月でも1年でもなく、あえて3カ月という単位を意識したタイムマネジメントで、ビジネスや勉強で成果を挙げている時間達人がいる。

<strong>本田直之●</strong>明治大学卒業後、サンダーバード国際経営大学院にてMBA取得。現在、レバレッジコンサルティング社長。最新刊に『レバレッジ・マネジメント』がある。
本田直之●明治大学卒業後、サンダーバード国際経営大学院にてMBA取得。現在、レバレッジコンサルティング社長。最新刊に『レバレッジ・マネジメント』がある。

その一人で、上場企業の経営経験もある本田直之さんは、3カ月マネジメントは時代に合っていると言う。

「変化の激しい今の時代、大きい組織になればなるほど、1年の計画を立てても必ず軌道修正が求められます。計画を具体化し、実行力を高めるために長期目標をブレークダウンするわけですが、1カ月では事業構造をつくるところまではできません」

先を見据えて大きい方向性を決める長期目標と、それを具体的な行動に落とし込む短期目標の中間に位置する「3カ月」は長期目標を修正するタイミングとしてはちょうどよく、新事業に目処をつけるのにも適した期間ということになる。さらに、「今は日本も四半期決算ですから、3カ月単位で計画を立てることは理にかなっています」と加える。

3カ月マネジメントはなじみがないとの尻込みは不要。「私たちは、子どものころからほぼ3カ月単位の学期制で過ごしてきました。社会人になってその枠からはずれた人が多いでしょうが、体が覚えているはずですから、もう一度そのリズムで動きだすことは難しくはないでしょう」(本田さん)。

学習を継続するコツが3カ月にあると指摘するのが小山龍介さんだ。「社会人には1カ月あたり100時間の自由時間があるとされています。3カ月で300時間。これは主な資格試験に合格できるかなりまとまった時間です」。

小山さんによると、学習効果を実感できるのは300時間分の学習が蓄積されるころから。つまり、1カ月単位の目標設定では、成長が実感できずに挫折してしまうことになる。逆に1年間勉強を続けようと意気込んでも、飽きがきたり集中力が続かなかったりして同じく挫折してしまうのだ。

「人は3カ月までなら、なんとか継続できる。そこで得た成功体験は次へのモチベーションになります。一つの分野をものにできたら、次の分野に移るというのは飽き対策としておすすめです」。3カ月続けることは習慣化の第一歩なのだ。このサイクルを継続すれば年間4つの分野をある程度まで深めることができる。