英語が必要な環境に身を置いてみる

英語を使いこなせるようになるという秘策を2人に伺ってみた。まずは新貝氏。

「いやでも英語を使わざるをえない背水の陣に自分を追い込むことです。最初にアメリカに赴任したときは、現地の顧問弁護士からの『ようこそニューヨークへ。今度食事でもしましょう』という電話の受け答えだけで、手のひらが汗びっしょりになりました。本当にその程度の英語力しかなかったのです。それでも医療分野の提携先を探して連日のように企業回りをし、山のように契約書を読んだおかげで、3年もしたら英語でも不自由なくコミュニケーションができるようになりました。そうなるまでにどれくらい失敗したかわかりません。けれども、誰も助けてはくれないのだから自分でやるしかなかった。英語力を飛躍的に高めたいと思うなら、そういう状況に身を置くのがいちばんです」

新貝氏が使用した教材の一部。『ロングマン現代英英辞典』

三木氏もほぼ同意見だ。

「日本人は通常中学と高校で都合6年間、それから大学で2年か3年英語を勉強してきているわけですから、コミュニケーションに必要な英語の知識は、すでにみな持っているはずなのです。それなのに英語ができないというのは、結局使う機会がないので、覚えたことをみな忘れてしまうからにほかなりません。だから、英語が必要な環境に行きさえすれば、基礎力はあるのですから、必ずできるようになると私は思います。逆に、日本にいて日本の会社に勤め、日本語だけで用が足りてしまう環境にいて、英語を使いこなせるようになるのは、よっぽど強靭な意志力がないと無理でしょう」

本気にならないと身につかない。英語に限らずどんなスキルも、つまるところ、そういうことなのだろう。

(山口雅之=構成 宇佐美雅浩=撮影)
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