2020年オリンピックにホスト都市として東京から発信する

さらに、こうした大きな統合や会社の変化に伴う“変革の痛み”に対応すべく、サポート体制も強化している。各部門専任で人事の専門部隊を配置したのだ。

「変革時は、各現場で様々な課題が多く出てくるので、細かなサポートが必要になります。そこで、会社として人事部以外に部門付人事担当者が全社で40人近くいます」(中野氏)。また、人事部門にも米コカ・コーラのアトランタ本社から、時機に応じて1~4人ほどの人事専門家が派遣され、各国の「ベストプラクティス」を使った助言がされているという。

今後は、研修を課長層や女性対象にも拡大すると同時に、選抜型での次世代リーダー育成プログラムも行っていく予定。世界規模で働ける人材育成の拡大を目指すという。

「統合前の4社の社員たちは、まさか自分が海外のボトラーで働くといったキャリアを想像したこともなかったと思います。ですが、日本の人材も英語ができれば、ワールドクラスで発揮できる力を持っているのです。実際に日本の飲料市場の成熟度は世界からも注目を集めております。その日本の知見をぜひ世界に活用してほしいと、米国本社からも熱い期待が寄せられています」(中野氏)

壁には、統合スローガンやレベル表を貼り、士気を高める。

CCEJでは、20年までに社員が英語を話せるようになることを目標として掲げている。コカ・コーラグループはオリンピックの公式スポンサーであり、東京オリンピックの行われる20年には世界中のボトラーが東京に集結する。そのときにはホスト都市のボトラーとして全社員が英語で対応し、世界にその存在感を示したい、という強い思いがある。

「グローバル化」とは、単に海外市場に日本製品を売り込む、海外に工場をつくる、といったことだけではない。ベストプラクティスを世界から学び、優れた技術やノウハウを持った人材を日本から世界に送り出す、といったこともまた、グローバル化の重要な側面なのだ。だからこそ誰もが「英語力とワールドクラスの働き方を身につける」ことが必要なのだと、CCEJの取り組みは教えてくれる。

(干川 修=撮影)
【関連記事】
「英語公用語化」は突然降ってきた……ドメスティック社員たちの慟哭
「英語ができないと出世できない!」は本当か?
なぜ「グローバル人材」は地頭のよさが必要なのか
英語の75%はノンネイティブ。日本人は英語「発信力」を磨け
グローバル化進む医薬業界、保守的な化学業界