ネットカフェで120%くつろぐ女性の生態

まず、14時半過ぎに入店したA子さん(27歳・独身彼氏なし・PC関連企業の一般事務)を直撃。

「休日は主にゲーム。それか映画鑑賞やショッピングです。最近では『ベイマックス』が面白かったですね~。合コン? 行きません。今日は4~5年ぶりにネットカフェに来ました。実はずっと漫画を読みに来たいと思ってたんです。でも買うとお金がかかる。それで近場のネットカフェを検索していたら、ココが会員登録無料のクーポン券が配布されていたから来ちゃいました。え、女性専用エリア? それは特に考えなかったですね」

話し終えると、A子さんは入店手続のためカウンターへ。スタッフから女性専用エリアの案内も受けたようだが、向かった先はオープン席(男女共用)だった。その後A子さんは左手側にマンガ雑誌を積み上げ、右側にドリンクを置き、記者が退店する1時間半後まで一心不乱に漫画を読み続けていた。

次に、15時過ぎに現れたB子さん(37歳・既婚子ナシ・会社員一般事務)に話を聞いた。

「休日は漫画かゲームが多いですね。一番の趣味は漫画。もう漫画が好きで好きでかれこれ20年くらいネットカフェに通っています。月に20冊は読んでるかな」

ココにも週1ペースで通っているという。

「ココは駅から近いので、夫の帰りが遅い平日の会社帰りや休みの日にサクッと1~2時間読んで帰ります。漫画は別世界に入れるんですよ。その世界観にどっぷり浸かることで気分転換になるから、手っ取り早い娯楽ですね」

そうしてやはり、B子さんも入店手続のあとオープン席へと向かった。A子さんと同様、着席後は石のように動かず、ひたすら前かがみで漫画のページを繰っていた。

なるほど、漫画への思いがここまで強くなければ、休日に、それも1人で訪れないだろう。

ある女性客が漫画に没頭する様子。

さて、カウンター形式のオープン席は次々と埋まる。見ていると、みな一様にもくもくと読み続けている。トイレに行く時間すら惜しそうな鬼気迫る雰囲気だ。隣に男性がいても、一切気にしない。

一方で、女性専用エリアを1周すると、33席中、3席しか利用されていない。うち1席は荷物が置かれているのみだった(受付で、シャワー利用を申し出ている女性がいたが、その人なのか?)。

せっかくの女性専用エリアも、A子さんやB子さんには不要のようだ。何しろオープン席は安い。ココの店舗の場合、オープン席のほうが個室より1時間あたり157円、3時間パックだと500円も安いのだ。考えてみればひとたび漫画に集中すれば他の何も気にならなくなるものだ。どんなに固い椅子だろうが隣に不審な人がいようが。