多岐に渡った発表会、そのポイントは?

今回の新製品発表会は2時間以上の長丁場だったが(アップルのサイトで見ることができる:http://www.apple.com/jp/apple-events/september-2015/)、そのポイントを整理しよう。

▼AppleWatch

スマートウオッチの「AppleWatch」。iPhoneと連携して使う

 まずはAppleWatch。タッチパネル付液晶モニタを持ち、iPhoneと連動してさまざまな通知を表示したり心拍数を測ったりしてくれるスマートウォッチだ。

春に出たばかりなので新製品の登場とはならず、バンドやエルメスモデルの発表にとどまったが、時計を動かすための「watchOS」がバージョンアップして2.0になった。バージョンアップによって機能が増え、使い勝手がよくなる時計というのが斬新な点。これで時計用アプリの登場が促されそうだ。iPhoneと無線で通信しながら連動して動くため、iPhoneが必須の製品だ。

 
▼iPad

初登場のiPad Proでは、鉛筆のような専用スタイラス「Apple Pencil」を利用できる

iPadはiPad miniの新型である「iPad mini4」と、新たなラインナップとして12.9インチの巨大な「iPad Pro」という新モデルが登場した。 iPad Proは単に大きくなったiPadに見えるが、さにあらず。パソコン並みの高性能になり、別売りのキーボードや「ApplePencil」という名の専用のスタイラスも用意され、文書を扱ったり写真を編集したりイラストを描いたりという作業を想定している。 価格的にも大きさ的にも同社のMacBookと競合しそうだが、あえてそれを辞さない製品といっていい。パソコンの方ができることは多いが、タブレットの方が分かりやすく感覚的に使える。パソコンがよりシンプルな1枚の「板」になったという感じだ。iPad Proは11月発売で、実機が出回るのはちょっと先となる。

 
現在iPadのラインナップは、大きい順にiPad Pro、iPad Air、iPad miniの3サイズ
▼AppleTV

AppleTVは長らくリニューアルしていなかった、テレビにつないで使う機器だ。今回、フルモデルチェンジを果たし、専用アプリのダウンロードで、ゲーム機としても使うことができるようになった。

ゲームはしなくても、インターネットを通して映画をレンタルしてテレビで見てもいいし、huluなど定額制の映像サービスも利用できるし、iPhoneやiPadの画面を無線で飛ばしてテレビで見ることもできる。たとえばiPhoneで撮った写真や動画を大画面テレビでみんなで見るという用途にもいい。AppleTVの発売は10月の予定だ。

このように、腕時計・携帯電話・家庭のテレビと日常的に使う機器を中心に進化させることで生活を変えよう(アップル風にいうと「再発明」)、という意図が見てとれる。多くの人は携帯電話をiPhoneにしたことで生活自体が変わったはず。それを広げていこうというものだ。