この間、『バーカウンターは人生の勉強机である』って本を上梓したんだけど、その帯に「誰かに推薦文を書いてほしい」って、編集者に言われて、わたしはタモリさんがいいんじゃないかって話をしたの。以前、とあるパーティで隣の席になって、葉巻やシングルモルトの話で盛り上がってね。それならと思って本の原稿と「もし気に入ってくれたら、推薦文をお願いします」と一筆添えてお送りしたら、書いてくれることになって。これもある意味、「じか当たり」で、それがまた雑談のネタになる。

こんな話ならいっぱいある。(やしき)たかじんのエピソードもお話ししましょうか? 「PLAYBOY」で、昔、たかじんにインタビューを申し込んだら、「島地さんが担当になるならやる」って言ってきたんだよ。正直ね、たかじんのこと知らなかったのよ。だからDVDか何か見て取材に行ったら、面白い男でね。すぐ意気投合して、「しまじん、たかじん」の仲になった。

あるとき、たかじんが雑誌をつくりたいって言い出してね。それでわたしが担当になって、取材して原稿書いたんだけど、最終段階のところでストップしちゃって。全くたかじんとも連絡が取れなくなって。たぶんあのとき、病気の宣告を受けてたんじゃないかな。

「たかじんマガジン」は幻になったけど、いい雑誌になったと思うな。

ほかにも、「週刊プレイボーイ」時代に開高健先生に人生相談の連載を依頼に行った話。朝からウオツカを飲まされてべろべろになっても、連載を承諾してくれるまで帰らなかった。先日、わたしのメルマガ会員の女性8人と西麻布の割烹店で食事会をしたんだけど、8人の女性を目の前にして圧倒されたり……。拙著の『甘い生活』は、そんな雑談の塊のようなエッセイだから一度、読んでみるといいよ。

わたしね、土日に伊勢丹新宿店のメンズ館8階で「サロン・ド・シマジ」というバーをプロデュースしている。そこで自らバーマンをやっているんだよ。

ここにはいろんな人が集まってくる。以前、弱冠20歳の大学3年生の若者が遊びにきてね、笑顔がまだ愛くるしい男の子で。彼は開高健先生に関する卒論を書きたくて、わたしに会いにきたみたいなんだ。