指示出しは話す場所、話の順序に注意

発達障害がある人に多い悩みは「仕事の指示が理解できない」というもの。

発達障害に見られる特性の1つに、感覚の異常がある。たとえば視覚が弱いと、視力とは関係なく、文字情報など目から入る情報が理解しにくい。逆に聴覚が過敏で、上司が話すときに耳から雑音が入ってくると、そのほうに気を取られて頭に入らないことがある。

加えて仕事の進め方が常に“自分流”で、状況変化やルール変更に対応できないこともある。

仕事の指示を出すとき、まず気をつけたいのが周囲の環境。他人の存在を気にするタイプには、オフィスなど人が多い場所では指示を出さない。目や耳に余計な刺激が入らないように、密閉された会議室を使うのも一案だ。

「今日中に」はNG

話し方にもコツがある。初めに今進めている仕事の状況を尋ね、残りの仕事を本人から説明してもらう。そのうえで今日の仕事を指示するが、そのとき話の順序が重要になる。

「Aの仕事、BとCの仕事、この3つを仕上げてください。今日中に」と話したら、最後の「今日中に」が頭に残り、「今日はたくさん仕事がある!」とパニックに陥りやすい。このような場合は、「これから今日の仕事を説明します。A、B、Cと3つの仕事があって、まずAは……」と順序立てて話せば相手は重荷に感じることはない。

聴覚情報が抜け落ちやすい人には、紙に書いて視覚情報で説明する。逆に視覚情報に弱い人は、文章を読んでも「行飛ばし」といって情報が抜け落ちることがある。紙に書いた説明を一緒に読みあわせれば両方に対応できる。