▼財産分与:婚姻期間中に築いた共有財産の1/2
▽現金・預貯

どちらかに収入がなくても半分ずつ分けるのが原則。財産隠しをはかるケースも多いので、弁護士や裁判所を通じて口座開示を請求したり、逆に自分の預貯金を他人名義の口座に移したりするなどの防衛策を講じる必要もある。

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財産分与の対象/退職金の分与例
▽不動産

住宅は売却し、売却益を折半するのが基本。ローン残債がある場合、法的には半分ずつ負うことになるが、支払い能力がある側がローンを引き継ぎ、一方が住宅に関する権利を放棄するのが現実的だ。

▽生命保険

解約して解約金を折半してもいいが、再加入の条件が悪くなるため、保険はそのまま残し、その分、預貯金を多めに渡す方法を選ぶケースも多い。子どもがいる場合は、受取人名義を子どもに変えるという方法もある。

▽退職金・年金

最近は退職金も分与の対象になる。図は40歳で離婚、60歳で定年退職と仮定した場合の分割例。定年退職時の1200万円の半額600万円では夫側の負担が大きいので、離婚時と定年退職時の間をとって50歳時の見込み退職金800万円の半額400万円で納得してもらうのが落としどころ。夫側は200万円お得となる。個人年金も同様の考え方が現実的。公的年金は年金事務所で2分割することができる。