パワポのプレゼンは接続詞を入れて考える

次に(2)の「話がつながって」いるかどうか。こちらも意外と破綻してしまうケースが少なくありません。文と文とがうまくつながっていないため、聞いているほうが「ん?」と違和感を覚えてしまうのです。

例えば、遅刻の言い訳で「ごめんなさい。昨日、雨降っちゃったから」と言われたら? 本人は、「昨日雨が降ってしまった。だから、昨日やる予定のことができず、今朝やっていたら遅刻した」と釈明したかったのかもしれませんが、実際は、何の言い訳にもなっていませんね。

最近はパワーポイントによるプレゼンテーションでもこうした「話が飛ぶ」事態がしばしば起こります。各ページで述べる内容は充実し、見た目もよく仕上がっているにもかかわらず、ページとページの連結や、全体のなかのそのページの意味・位置づけがわかりづらいために、論理がおかしなことになってしまうのです。

AとBのページの関係が、はたして「Aは○○です。なぜなら、Bだからです」なのか、「考えられる原因は、Aまたは(もしくは)Bです」なのか、「Aは○○です。しかしBは△△です」なのか。話に接続詞がしっかり挟まれていて、スムーズにつながっていくことが論理思考なのです。人に説明する作業は、国語力に加え証明問題を解くような数学力も必要です。

自分の話やプレゼンのなかに、本の目次にあたるものをきちんと準備しておくことで、つながりは生まれます。そうした骨格さえあれば、実際のプレゼンの話の流れは、必ずしもオーソドックスな起承転結ではなく、聞く人が思わず引き込まれるようなキャッチーな台詞を最初に持ってくるような「応用」もできるはずです。目次や骨格が自分のものになっているので、「なぜ、そう言えるのか?」という先方からの質問にも余裕で回答できるからです。

論理思考を習慣付けるために実践してほしいのが、以上のような日頃からの話し方のクセづけだけでなく、「フレームワーク」の思考法です。

試しに、「職場のコミュニケーションを改善するためのアイデア出しをする」という設定で考えてみましょう。

「私は、仕事後の飲み会を増やして、若い世代と交流し、本音をぶつけ合うのが一番だと思います」