土地オーナーが持つ
真のニーズを掘り起こす

とはいえ土地オーナーとテナント企業、両者の思いにかなうベストな事業形成は決して容易ではない。そのハードルに大和ハウス工業はあえて挑み、早くからノウハウを磨いてきた。

「1回目のご提案で土地オーナー様が満足されるとは限りません。しかし第2、第3のご提案を差し上げるうちに、無意識下にあった潜在ニーズが明確になり、計画が加速していきます」

神木事業部長らが担当する横浜エリアの場合、高齢者人口が増えつつある一方、若い共働き世代による保育サービスを必要とする声も切実である。

「そこで横浜エリアでは、立地条件が店舗などに最適でないなら、介護施設や認可保育所の建設もご提案しています。賃貸住宅の1階に店舗や保育施設を併設し、収益性を高めるのも一案です。横浜市内では認可保育所の建設は50カ所に上り、認可条件を満たすためのノウハウも十分に備えています」

このほか、複数の土地オーナーの区画を集め、袋地も含めて大規模な面積を確保し、大型商業施設などを企画する例もある。常に土地の価値を最大限に引き出すべく、考えられるあらゆるプランを企画するのである。

収益確保も資産継承も
長年にわたりサポート

大和ハウス工業が支持される大きな理由として、施設が完成した後の手厚いサポートも特筆すべきだろう。

「建物の維持管理はもちろん、テナントとの契約期間内におけるフォローも重要。賃貸借契約の更新や賃料改定などのお手伝い、また契約満了時の新たなテナント企業様のご紹介までフォローします」

さらに、将来の相続に備えたサポートとして「PDB(Personal Data Base)システム」も用意されている。土地オーナーの依頼に基づき、大和ハウス工業と各分野の専門家による連携で、相続を含む総合的な資産対策を支援するシステムだ。

土地は幾世代も受け継がれていく資産。それだけに神木事業部長は「有効活用のためには現在から将来にわたる時代背景の見極めが大切」とも指摘する。高い要求水準だが、大和ハウス工業は実績とネットワークを生かし、全国で土地オーナーの収益確保や円滑な資産継承、そして地域社会の活性化に成功を重ねているのである。