――海外では中国が伸びている。

【栗原】中国は5年前までシェア7位だった。しかし、中国でよく使われる“チャイナレッド”を再現するなどの工夫をしたことでシェアがトップに並んだ。中国の経済は前よりスローになったが、依然としてポテンシャルは高い。山でいえば4~5合目で、これからさらに伸びる。

――他の地域はどうか。

【栗原】いまのところその国の市場向けに商品開発したのは中国だけだ。しかし、インドネシアなど人口の多い国がさらに経済発展していけば、独自の商品開発も視野に入ってくる。

――ソリューション事業へのシフトも進んでいる。

【栗原】日本や欧米など先進国市場においては、コピーを取れればいいという複写機の時代はすでに終わっている。いまはクラウドと連携したりSNSとつながるなど、マルチファンクションデバイスとして機能している。アメリカのゼロックスは、もう半分以上がソリューション事業だ。当社は現在約30%。これを2~3年で半分まで持っていきたい。(シェアはA3複合機、富士ゼロックス調べ)

富士ゼロックス社長 栗原 博
1953年、宮城県生まれ。78年学習院大学法学部卒業後、富士ゼロックス入社。2004年営業統括本部販売本部官公庁支社長、09年取締役常務執行役員、14年取締役専務執行役員を経て、15年6月より代表取締役社長。

出身高校:東北学院榴ケ岡高校
長く在籍した部門
:営業部門
座右の書(または最近読んだ本)
:『ザ・ラストマン』
座右の銘
:No Try, No Success!
趣味
:スキー、アウトドア

(村上 敬=構成 宇佐美雅浩=撮影)
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