日本人経営トップより高額な外国人取締役

現役の常連高額報酬組では、パチスロ・パチンコメーカーのSANKYO(ランキングでは三共になっている)の毒島秀行会長が20億円台。ソフトバンクグループのロナルド・フィッシャー取締役、岡三証券グループの加藤精一会長、日産自動車のカルロス・ゴーン会長兼社長が10億円台だ。14年11月期決算の自動車部品メーカー、ユーシンの田邊耕二会長兼社長も前年度から5億7100万円アップの14億500万円だった。

SANKYOと岡三証券グループは、役員退職金慰労制度の廃止にともなう打ち切り支給などがあったために報酬総額がアップ。ソフトバンクグループのフィッシャー氏は、その報酬の全額が本体以外の海外子会社からのものである。日産のゴーン氏はすべて金銭報酬。この5年の総額は49億8700万円に達する。

そのゴーン氏や栄養補給食品のシャクリー・グローバル・グループのロジャー・バーネット社長兼CEOはともかく、経営トップを上回る報酬の外国人取締役が目立つのも最近の特徴だ。ソフトバンクグループのフィッシャー氏は孫正義社長の13倍強、京セラのジョン・ギルバートソン取締役の報酬は、同社の会長や社長のおよそ4倍である。武田薬品工業の場合は、会長を上回る報酬を支給された取締役は4人で、うち3人は外国人である。

従業員給与と経営陣の格差拡大が話題になるが、取締役間の報酬格差も大きくなっているということだろう。

日産のゴーン氏を除く取締役の平均報酬は8500万円強、オリックスの現役執行役のそれは約4900万円だ。SANKYOの毒島氏ともう1人の1億円プレーヤーを除く平均は5500万円である。

イオンは格差が割合小さく、岡田元也グループCEOの4000万円に対して、その他執行役の平均は2993万円である。

企業間格差も拡大しおり、三菱電機は23人の執行役全員が1億円プレーヤーの仲間入り。それに対して日立製作所の1億円プレーヤーは3人、ソニーとパナソニックは2人ずつだった。