会社に企業年金制度がないサラリーマンなら、個人型401kに加入できる。個人型では、窓口となる運営管理機関(金融機関)を自分で選べる。選ぶ際に着目したいのは、「手数料(安いに越したことはない)」と、「サービス(商品の預け替えのしやすさが大事)」。そしてもっとも重視したいのが、運用商品だ。商品ラインナップが充実し、質のいいものが揃っているかどうか。自社系列の投資信託ばかりではなく、バランスのよい品揃えになっているかどうかチェックしよう。

401kを通じて購入する投資信託には、一般の投資信託同様に元本割れのリスクはある。401k内だけでなく、総資産のポートフォリオを考えて商品を選ぶべきである。たとえば個人で日本株に投資しているなら、401kでは債券や外貨建て商品に重点をおくといった具合だ。401kは老後資金目的の積立制度なので、目の前の株式市場に一喜一憂すべきでないとはいえ、株価が下がれば年金資産が減ることになる。自分が許容できるリスクの範囲で運用するのが基本だ。

401kは「収入は多いが支出も多い」家庭の老後資金準備にはうってつけの商品だ。節税になるし、引き出しにくさが、貯まりやすさにつながる。株式投信を購入しない選択肢もあるし、株価下落時ほどお得に購入できると考えることもできる。老後資金に不安がある人は、すぐにでも始めるのがよいのではないだろうか。

※すべて雑誌掲載当時

(構成=相馬留美)