たとえその理由が、「リフレッシュしたいのでハワイに行ってきます」というものであっても構わないでしょう。休みを取ることを批判的に見られる理由は、「情報がない」ということに尽きます。「聞いてない」「知らなかった」というのは心情的に不快になるし、休み中の仕事について聞いておきたいことがあっても、本人がいなければ確認できません。

働きやすい会社の条件は
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働きやすい会社の条件は

一番よくないパターンは、言いづらいからといって直前まで黙っていて、いきなり休むこと。これは周囲の人には「消えた」「いなくなった」と思われます。たとえ普段は個人個人で仕事をしていても、必ずほかの人とつながっている部分があるものです。そのつながりを断つようなことをしてはいけません。

それから、もしも何かあったときのために、連絡がつくようにしておくことも大切です。休みのときくらい仕事のことは忘れたいという気持ちもわかりますが、責任ある仕事をしているなら、連絡先を伝えるとか、定期的に電話を入れるなどするべきです。

いまは海外でも携帯電話が通じるようになりましたが、万が一のときのために宿泊先のホテルを教えていくのもいい。そうしておけば休み明けに、「何かまずいことが起きているかもしれないから、会社に行くのが怖い」という事態も避けられます。

私自身は、いま小学校1年生になる息子が生まれてから、仕事を前倒しで進めるクセがつきました。以前、子どもがインフルエンザにかかったことがあります。おばあちゃんもダウンしてしまうし、シッターさんも来てくれない、病児保育も無理という状況でした。そこで、夫と交代で3日ずつ休まなければならなかったのです。小さい子どもがいると、いつ何が起きてもおかしくはありません。それ以来、突発的に休んでも周囲に迷惑をかけずにすむよう、余裕をもった仕事の進め方を心がけるようになりました。

子どもがいなくても、日ごろから周囲の人と「もしも」のときについて話し合っておくといいでしょう。自分が抜けたときの穴をちゃんと埋める。これも社会人としての能力の一つだと思います。

(長山清子=構成 交泰=撮影)