2015年8月27日(木)

孫正義流の事業提案書「ワンシート、ワンメッセージ」を肝に銘じよ

プレゼンの王様 孫正義の「文章テクニック」

PRESIDENT 2013年4月1日号

ジャパン・フラッグシップ・プロジェクト社長 三木雄信 構成=岡村繁雄
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社内企画書、会議の議事録、そしてお客さま向け事業提案書……。会社のなかにはさまざまな書類があふれている。どのように書いていったら仕事がはかどり、成果もあがるのか?

ベンチャー企業向け成果報酬型の新卒紹介事業の実現可能性も確認ができ、お客さまへ提案する段階を迎えた。最近のプレゼンテーションの現場では、パワーポイントで作成したスライドをプロジェクターで映すのが主流だ。それゆえ、ここでの提案書もパワーポイントのシートを使ったものを紹介したい。

先に紹介した孫社長の“10秒ルール”(http://president.jp/articles/-/15891)はお客さまへの提案のプロセスでも生きている。ソフトバンク時代に私は孫社長から「結論から話せ。結論から」と何度いわれたことか。これから提案を受けるお客さまも、その孫社長と同じような思いを抱いているのだ。

では、本論の1枚目のシートには、どのようなメッセージを持ってきたらよいのか。それを考える際のコツは、戦略の本質を思い出すことだ。戦略は情報を徹底的に集めて、枝葉末節を取り払い、一番太い幹に絞り込むことである。

「これをやらなければならない」という急所を見つけるわけだ。

今回の新規事業の提案において、お客さまがそう思うポイントは何か。それは将来を担う優秀な人材を確実に確保すること。しかし、既存の採用支援会社を通じてでは大企業の陰に埋もれて、なかなかコンタクトを取ることができない。

もし、直接コンタクトを取れるのなら、これに勝るものはない。そう、彼らをダイレクトに紹介してもらえることが一番のポイントなのだ。そこでアフターの本論の1枚目のシートに「Direct」の大きな英文字のキャッチを入れ、強く印象付けるように工夫した。

周囲にいかにも好感の持てそうな学生の写真を何枚も配置したのは、彼らと直接つながることができることをイメージさせるためだ。こうした写真やイラストなどを入れると、「お遊びではないのだから」と批判する経営幹部の方がたまにいる。“プレゼン上手”で知られる孫社長のシートも、イメージ重視のものが過半数を占めていることを、コンサル先のお客さまにお教えすると、皆さん一様に驚かれる。

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