「Chikirinの日記」は、アクセス数が月間200万を超える超人気ブログだ。とはいえ、運営者の「ちきりん」さんは、いわゆる有名人ではない。それどころか、いまだに顔も実名も非公開なのである。しかも、実はアクセス数を増やすことにもあまり関心がないという。

ちきりん
社会派ブロガー。関西出身。大学卒業後、金融機関に就職。アメリカの大学院留学を経て、外資系企業に転職し、在職中にブログを書きはじめる。退職後、2011年からは文筆家として活躍。6冊の著作がある。http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/

「日記はもともと私にとって、社会で起こる様々な事象に関する自分自身の思考の記録です。情報を鵜呑みにせず、自分のあたまで考える重要性を訴えたいので、手っ取り早く答えがほしいという人にまで支持されたいとは思っていません。有名人になることや、お金儲けをすることも目的ではないので、テクニカルなアクセスアップのノウハウにも興味がないのです」

そんな、ちきりんさんが、ぜひブログを読んでほしいと思っている読者は、地方の公立校に通う小学校高学年の生徒や中学生だという。

「それくらいの年齢になると、社会の仕組みに関心をもつ子も出てきます。でも、学校では子供扱いされるし、テレビや新聞の報道にも、タブーや誘導的な論調が多いと気がついてしまう。地方では大人向けの本も手に入らず、建前やキレイごとではない“社会のリアル”を知る方法が見つからない。

実はこれは、当時の自分の姿でもあります。12歳の頃の私には、知りたいことがたくさんありました。『政治家って世襲職業じゃないのに、なぜ親も政治家という人が多いんだろう』とか、『なぜ給食費を払わない親がいるんだろう』とか。私は『Chikirinの日記』を、あの頃の私のような子供たちに、『世の中はこう動いているんだよ』と伝えるメディアに育てたいのです。無料のブログであれば、インターネットを通じて、誰でも簡単にアクセスできますから」

本書には、「Chikirinの日記」に込められた彼女の思い、ブログ立ち上げ時の様々な判断や、人気がブレークした後の運営方針、セルフブランディングのコツなど、個人メディアの立ち上げ方が丁寧に説明されている。また、過去のブログから話題になった21の記事も収録されているので、“ちきりん初心者”にはもってこいの入門書だ。

「まずはお父さん、お母さんに読んでほしい。そのうえで、お子さんにも勧めていただけたら、とても嬉しいです」

(山口雅之=構成 二石友希=撮影)
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