旅行や健康、住まい
自己投資に意欲的

暮らしぶりをみると、現在のシニアは現役世代に負けずに元気だ。充実した毎日を送るのに意欲的で、それまでの貯蓄などをもとに、趣味や地域貢献にアクティブに過ごしている。

総務省統計局の家計調査の結果を見ると、パック旅行の支出金額が最も高いのは世帯主が60歳以上の家庭で、実に8万円近くを国内旅行や海外旅行にあてている。「自由な時間は、憧れの国でのびのびと過ごしたい」というのは誰もが憧れるセカンドライフの過ごし方だが、現在のシニアは、まさにその夢を叶えているというわけだ。

介護や医療、健康への関心も高く、60代は他の世代に比べてより多くのお金をスポーツクラブに投じている。年齢が上がるほどに、サプリメントなどの健康保持のための投資も目立つ。


出典:総務省統計局「家計調査」平成26年、2人以上の世帯(世帯主の年齢階級別1世帯当たり年間の支出金額及び消費支出に占める割合)

安心・安全の確保という意味では、住まいの整備も重要なテーマだろう。シニア世代は他の年代に比べて持ち家率が高い。特に、子どもの誕生をきっかけにマイホームを購入した家庭の場合、退職の時期はおよそ築30年が経過した時期にあたる。水回りを中心に住宅設備の老朽化が進み、見直しを検討するタイミングに差し掛かっている。思い切って高齢者向け施設などに住み替えるという選択肢もあるが、「体が弱っても我が家で過ごしたい」と考える人が66.4%に上ることからも分かるように、最期は住み慣れた自宅で過ごしたいと願う人が過半数を占める。そのためには、耐震補強や断熱性の向上、バリアフリー化など、住宅機能そのものを高めるメンテナンスは不可欠といえる。


出典:内閣府「高齢社会白書平成25年版」虚弱化した時に望む居住形態

お金の確保や健康づくり、住まいの整備など、シニアライフの備えは手間がかかるが、効果は大きい。老後の安心と快適を手に入れるために、今からできる対策を考えるべきだろう。