LCCを活用して、少しでも安く旅行に出かけたい人にとっては、インターネットの活用が不可欠である。キャンペーンがない時期の、羽田─クアラルンプール(エアアジアX)の片道の相場は1万8000~2万2000円であるが(LCCは空席状況に応じて運賃が変動する)、キャンペーンがスタートすると片道1万円前後で買える。

キャンペーン運賃は、航空会社のホームページ上でのみ告知され、購入も原則インターネットからとなる。キャンペーンを上手に活用するのが安く利用するコツとなるが、特に繁忙期はキャンペーン運賃と通常運賃との差が拡大しがちなので、発売直後に購入するのが最もお得な購入術となる。

昨年後半から、リーマン後に一度下落した原油価格が再び高騰に転じた。追い打ちをかけるように、チュニジアを皮切りに中東全体にデモが広がるなど、産油国の情勢が不安定な状況の中で当面は原油価格が下がることは考えにくい。運賃と別に徴収している燃油サーチャージを4月以降に値上げすることを予定している大手航空会社も多いが、エアアジアXなど、燃油サーチャージを運賃に含めているLCCもある。LCCであってもゴールデンウイークなどの繁忙期は通常時に比べて運賃が高いが、それでも燃油サーチャージを含んだ合計金額では割安感がある(3月1日時点で、エアアジアXの羽田─クアラルンプール、5月1日出発、5日帰国便で往復7万5756円、同路線のマレーシア航空の運賃は約12万円)。

11年度後半には、ANAが設立するLCCが関西空港を拠点に、小型機(エアバスA320型機、180席)での運航開始を予定している。運賃・就航路線は未定であるが、運航コストを従来の半分にすることを目指すなど、国内旅行感覚で海外へ出かけられる日も近いだろう。