[4]危機における情報担当チームを組織する

様々な部門から人材を集めてチームをつくり、全計画を実行する際の各自の責任を徹底させる。チームの全員が互いに知り合っていることが望ましい。会社が危機に直面し、チームが不慣れな状況下で協力しなければならないときには、信頼が不可欠だからだ。会社の規模によるが、情報担当チームがひとつでは足りない場合もある。

[5]危機の種類別にスポークスマンを決めておく

財務危機ならばCFO(財務担当役員)の役目だ。よって、CFOは日頃からカメラの前で話す簡単な訓練をしておくべきである。危機によっては、責任を持って説明できる者がCEOのみという場合もある。だからCEOは危機情報管理計画にある程度関与すべきだ。CEOがなんらかの理由で危機情報管理計画に直接関与していない場合には、意思決定の責任者を任命すべきだと、コンサルト会社のインテグリティ・リソース・グループ(メリーランド州)の共同経営者のスティーブン・ハインズはいう。「なにをどのように発表すべきかについて、最終的決定権をだれが持っているかが決まっていなければならない」。

集団訴訟のリスクがある企業によっては、社内に訴訟とコミュニケーションを担当するチームをつくるのもよい。集団訴訟は会社の評判に深刻な打撃を与えかねないし、株価が左右される恐れがあるからだ。「最悪の事態は、法廷と世論の2つに同時に裁かれることだ」とパウエルはいう。このチームには、危機的状況下で仕事をした経験を持ち、法律と規制の副次的影響を理解している情報担当者に加え、政府・議会対策に慣れた者やロビイストを含める必要がある。代弁者としての情報専門家を雇うことをためらう必要はない。「外部の者は、内部のスタッフが言えないことを言えるし、企業が聞きたくないことも企業に対して言える」とパウエルはいう。