糖尿病のリスクが高まる40代以上の男性は、同時にビールテイスト飲料の主要なユーザー層でもある。糖尿病を予防するようなものができれば、社会的な意味を持つ商品として売り出せると考えたのだ。

(左)左がオオゼキ酒販部門チーフの丹智幸氏。右がサッポロビール広域流通本部首都圏営業統括部第3営業部課長代理の荒木進之介氏。(右)サッポロビール新価値開発部グループマネージャーの望月佐和子氏。

「最初に社内で発言したときには、また途方もないことを言っているという反応でした(笑)」

それでも上司が牽引役となってくれたこともあり、急ピッチで開発が進められた。

「最初は『そんなことできるのか』といぶかしんでいた人も、社会的な価値やオンリーワンを目指すことに賛同して、すぐに『やろう』となる。もともとサッポロは、開拓者精神の強い会社で、そのDNAが社員一人ひとりの中に息づいているのを感じます」

オンリーワン商品の開発に注力する一方で、サッポロには黒ラベルとヱビスという不動のブランドがある。

「ブランドの違いは単に中身が違ったり、ラベルが違うというだけではなくて、品質や信頼の証でもあります。私たちの使命は、時代に沿ってブランドを進化させながら、常に輝いている状態をつくり出すことです」。そう語る尾賀真城社長。