複雑なものを簡潔に、曖昧を明快に

私の考え方の根底には常に人に対する「敬意」と「尊重」があります。その上で、判断基準として、「シンプルであること」と「事実」を大切にしています。エンジニアは、事実を踏まえて問題点や課題を明らかにし、解決のためエネルギーを注ぎ込むことが求められます。

物ごとを見る場合、複雑なものは簡潔に、曖昧であれば事実を明らかにしようと直感的に行動します。簡潔で明快なことは記憶の引き出しに整理してしまうことができ、時間が経っても容易に取り出すことができます。それは本に似ています。作者のメッセージやストーリーが簡潔で明快な本の内容がいつまでも読者の記憶に残り、時を経ても思い出せるということと同じです。

ビジネスも同様です。私は経営計画は事実に基づき、簡潔で明快な内容であることを求めています。複数のプロジェクトプランが提案された時の判断もそうです。物ごとを考え、判断するためには、経験的な直感が重要な場合もありますが、私は論理的に考えて判断するようにしています。つまり、事実と論理的思考から結論が導き出され、かつ、その過程が簡潔で明快であることを重視します。シンプルなプランは実行が容易で、後に修正が必要となっても、修正すべき起点に容易に立ち返ることができるからです。