一般的にはこうした状況を迎える前に、長い介護生活がある。治療を伴う介護の場合は在宅では限界があるので、医療ケアの手厚い介護療養型医療施設や病院・診療所併設のサービス付き高齢者向け住宅、医療スタッフ上乗せの介護付き有料老人ホームなどが安心だ。

「どこで介護・医療サービスを受けるにしても、終末期は介護休業制度などを上手に利用して、残された時間を一緒に過ごしてほしいと思います」と話すおちさんは「逆在宅」を勧める。死期が迫ってきたら、医療・介護施設などの入所先から自宅に引き取って、訪問看護・介護のプロの力を借りながら家族で看取るやり方だ。死亡時には医師の「死亡診断書」が必要になるため、在宅での看取りの場合、24時間往診ができる「在宅療養支援診療所」の医師との連携が欠かせない。

「どんな医療・介護のプロであっても、家族の代わりに心のケアはできません。看取りは命のバトンをつなぐ大切な瞬間です。親との最期の時間は無形の遺産だと考えて、しっかり受け取ってほしいですね」(おちさん)

【ANSWER】介護は施設、最期は自宅。「逆在宅」がおすすめです。

ジャーナリスト・高齢者問題研究家 おちとよこ
介護、医療、子育て、それにまつわる家族や女性問題を中心に執筆や講演等で活躍。自身も両親を16年介護した経験を持つ。