2015年8月7日(金)

シカ、イノシシ……日本にわずか「女マタギ」の生き方

dancyu 2013年8月号

文・柴田香織 撮影・高見尊裕
縄文時代、日本人は狩猟生活を送っていた。鹿や猪が主食だったという肉食文化は、今も全国に残るマタギの中に痕跡を残している。日本で数少ない専業猟師の吉井さんを訪ね、鹿のことを教えていただいた。
吉井あゆみ
専業猟師。兵庫県朝来市に移り住み、小さな頃から動物が大好きで、親の狩猟に同行して野生動物に親しんだ。自宅に併設した加工所を持ち、猪や鹿を中心に料理人に直接卸す。

エゾ鹿と本州鹿、どう違うの?

エゾ鹿と本州鹿は同じニホンジカです。ニホンジカは環境適応能力が非常に高い動物なので、冬の寒さが厳しい北海道では独自の発達を遂げ、エゾ鹿と呼ばれるようになったようです。北海道の冬は長く、積雪量も多いため、餌がなくなります。そこで、秋までにたくさんの餌を食べて脂肪を蓄え、冬はこの脂肪を消費しながら過ごします。一方、南の屋久鹿は体が小さく、脂肪量も多くありません。本州に棲息する鹿は、本州鹿という総称で呼ばれますが、それぞれの環境で独自に発達し、その個体差は大きいといえます。

狩猟シーズンは、いつですか?

地域によって異なりますが、一般的に11月中旬から約3カ月間が狩猟シーズン。北海道の場合は降雪が早いので、本州よりも早いスタートとなります。私の所属するグループでは、11月にまず猪を獲り、12月になると鹿の本格的な狩猟シーズンを迎えます。普段から山に入って、鹿の寝床の位置や、餌になる場所などを確認しておきます。

ちなみに鹿は夜行性で、逃げやすい山の尾根筋に寝床をつくるケースが多いです。また、狩猟シーズンでない春から夏は、田んぼや畑の作物を鹿や猪が食べてしまうので、自治体が主導となって、地域ごとに余剰な鹿や猪を獲ります。

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柴田 香織