業務遂行プロセスにおいての問題発生やミスは可及的速やかに上司に知らせなければならない。そうしたとき、怖い上司からひどく叱られた経験は誰にでもあるだろう。

お笑いコンビ「サバンナ」の高橋さんの場合、マネジメントをしてくれる吉本興業のスタッフはいるが、仕事の現場では上司と部下という関係にはならない。けれども、目上の先輩には厳しく叱咤されることもあるという。

「お笑いはウケようが、すべろうが、すべて自分持ち。観客や視聴者の反応が悪いことについて、先輩から怒られることはありません。けれども、ズボラをして頼まれごとを忘れたり、態度が横柄だったりすると『おまえ、何やねん』言うて怒鳴られますわ」

プライベートとはいえ、怖い先輩から叱られれば落ち込む。怒りを買うことがわかっている報告なら尻込みもしたくなって当然だ。だが、下手な小細工は、火に油を注ぐようなものだ。

高橋さんは「叱られているシーンで雑談を仕込むのはどうかと思います。その場しのぎで要領よく切り抜けようとしても絶対バレますから。逆に『小賢しいねん、よけい腹立つわ!』とそっぽを向かれかねません。失敗したときは、まっとうに怒られるしかあらへんやないですか……。『まあええ、次頑張れや』と言ってもらえるまで謝るしかない」とアドバイスする。

叱られたあとは、どうしても2者の関係はぎくしゃくしてしまう。そんなときは「本当なら、怒った人が冗談に変えてくれるのが一番いい」と高橋さんは言う。

「『俺、昨日怒りすぎて興奮して寝られんかったわ』とか。叱ったあと以外でも、例えばトイレで小用を足すとき、先輩と男同士で並んで無言は気まずい。そんなときに話しかけてくれる先輩は気遣いの人やと思う」(高橋さん)

叱られた側も翌日にアフターフォローしておくといいのだと言う。

「例えば『昨日はメチャメチャ怖かったです。もう電車に飛び込もうかと思いましたよ』と言えば『そこまでせんかてええがな』となり、互いに後味がよくなります」