ネット販売のED治療薬には偽造品がきわめて多いことが判明している。浜松町第一クリニック上野院の大久保暁司院長は「安心して服用してこそ治療効果もあがる」と、医師の処方を受けるよう勧める。

大久保暁司●おおくぼ・さとし

浜松町第一クリニック上野院 院長
1999年、日本医科大学卒業。同大学付属病院、東戸塚記念病院外科を経て、2006年より浜松町第一クリニック勤務。08年より現職。日本形成外科学会員、日本美容外科学会員。患者の悩みや不安と真摯に向きあい、責任感と使命感をもって治療に取り組むことを心がけている。

浜松町第一クリニック上野院ホームページ
http://www.viagra-ueno.com/

 

偽造品は精巧なものから
絶対にありえないものまで

──ネット上で個人向けに販売されているED治療薬は、6割近くが偽造品だったとの調査結果もあり、驚かされます。
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インターネットで購入したED治療薬の「55.4%」がニセモノ!インターネットで購入したED治療薬の含有成分について化学分析を行った結果、55.4%が偽造品であることが判明。中には、まったく違う成分や、不純物を含むものもあった。

【大久保】個人輸入の代行業者を介して購入する形が多いと思います。業者そのものに悪意がなかったとしても、流通経路が複雑になるにしたがって偽造品も混じってしまう。それが現実なのではないでしょうか。ED治療薬に限らず、他の薬についても同じことが言えると思います。

かつて信頼できる代行業者さんを通じ、日本で承認前のED治療薬を輸入してみたことがあります。すると、ほんのわずかな形状の違いから、ようやく偽造品だと識別できるものが含まれていました。精巧なニセモノを一般の方々が見分けるのは、まず不可能でしょう。ただし、正規品には存在しない用量が刻印された錠剤など、明らかな偽造品もあります。

また、一部のED治療薬の特許期間満了で、そのジェネリック(後発品)が正式に登場したことに乗じ、まだ特許期間中の治療薬のジェネリックと称するものまでを、堂々と販売する所もあるようです。ある患者さんから、それを服用して吐き気を催したと聞いたことがあります。仮に成分組成が正しくても、製造には1000分の1グラム単位の管理が必要で、そんな生産体制を簡単に組めるはずもありません。偽造品に効果がないだけならまだしも、海外では死亡事故も起きています。

──偽造品被害を避けるには、しっかりとしたクリニックで処方を受けることに尽きると思います。

【大久保】せっかくクリニックを受診しても、薬の服用に慣れると通院が面倒になり、ネットでの購入に走る方もいらっしゃるようです。

また、友人にもらって飲んだことがあるという方もいますが、たとえそれが医師に処方された正規品であろうと、個々人の持病や常用している薬による影響で、危険が生じる恐れもあります。ED治療薬に限らず、クリニックで処方された薬を他人に譲ってはいけません。医師は、患者さんの一人ひとりについて適応の可否や用量、服用方法などを考慮し、注意事項を説明のうえで処方しているのですから。