ケースによるが、しこりがなく、マンモグラフィー検診でごく初期に見つかった場合には最小限の手術で治療が済むこともある。とにかく早く見つけて治療したい。

私の場合、脇の下にリンパ節転移があり、手術・抗がん剤・放射線・ホルモン治療を受けた。当然気持ちがダウンした。

だけど、人はどんな困難からでも学び成長できる。どん底が貴重なチャンスへと変化し、その後の人生に活かされるのを感じた。子育てもそう。子は親を見て学ぶ。治療で脱毛して下を向くよりも、外に出て、にっこり笑う母親の姿は、子供がいつか困難にぶつかったときに立ち向かう道しるべになる。

がんだと診断されても「もうおしまいだ」なんてことはない。人はもっと強く成長できる。検査を怖がっている場合ではない。

女性の16人に1人が患う乳がん。読者の皆さんの知り合いにも乳がんの方がいることは不思議ではない。家族や友人と声を掛け合い、怖がらずに検査を受けようではないか。

西澤宗子
総合診療医。大村病院健診センター長。3人の男の子の母。『診察室からのぞいた子育て』(Kindle版)の著書がある。総合診療とは、「何科に行けばいいかわからない」症状について、“科”にかかわらず全体的に診断する仕事。
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