大型貨物機といえば、ボーイング747カーゴなどが連想されるが、旅客機ベースの場合、機内がダブルデッキ(2階建て)になっているため、積める貨物の大きさには制約がある。最初から輸送機として開発されたC‐2の強みが発揮されるところである。

が、オーバーサイズカーゴの市場そのものは大きくなく、100機は売れるだろうと予測はしているものの、需要が大きくぶれる可能性も高い。

そこで川崎は、民間向けだけでなく、各国政府や国際機関向けの市場開拓も並行して進めていくという。

「元々は軍用輸送機なのですが、機体後部から物資を投下できるといったミリタリー(軍用)スペックが、実は国連の国際貢献活動などに適しているという部分もあるんですよ。紛争地帯の難民キャンプなどに物資を送ろうとしても、空港から現地への輸送もままならないことはよくある。C‐2なら機体後部から物資を必要としているところに投下することが可能。平和利用向けの市場も実は世界で500機ほどあるのですが、こちらも100機くらい売れると期待しています」(大垣氏)

ヘリコプターを民間向けに販売したことはあるが、固定翼は初めて。その経験不足を、搭載貨物30トンクラスの中型オーバーサイズカーゴとしては抜群に長い航続性能、これまて培ってきた独自の高品質な航空機生産システム、定期的に行う大がかりな整備を迅速、正確に行うことができるサービスの良さでカバーし、民間への進出を何とか果たしたいという。

「民間は面白い。自衛隊向けだと積むものは大体決まっているのですが、民間の場合はお客様によって積みたいものはさまざま。アラブでは『ラクダを積めないか』と聞かれたこともあります。一体何事かと思えば、それで競馬のようにレースをするらしい。それで、さあラクダの大きさって一体どれくらいなんだ?と調べたり。また、トラックなどを積む場合も、国によっては聞いたこともないようなメーカー名が飛び出すこともありました。で、長さや幅が普段目にするものとちょっと違っていて、荷室に干渉しないか心配されたり」(大垣氏)