家計の状況が変わり、月々の保険料が途中で払えなくなるリスクもある。貯金なら積立額を自由に増減できるが、保険だとやめるほかなく、中途解約で元本割れすることもある。さらに生命保険会社が潰れれば、保険金の一部カットに見舞われることも。
「高度成長からバブル崩壊の辺りまでは運用環境がよく、税制でも優遇されていたため、確かに貯蓄性が高い保険もあったが、今や都市伝説」(清水さん)
しかもバブル期に加入した貯蓄性の高い保険をあやうく取り上げられそうになる、という例もある(図参照)。売り手が保険の見直しを提案してきた場合は要注意である。
手数料率は商品によって異なるが、円で払い込んだ保険料をドルに交換して運用するタイプの終身保険では、20年運用した場合、年間の手数料率が単純平均で4.5%になる例もある。
「年間4.5%も引かれる保険で資産形成などできるのか。しかもこれは代理店の手数料で、ほかにもコストが引かれる。これほどコストが高い保険に貯蓄性があるわけがない」(後田さん)
これは商品そのものの問題だが、販売チャネルに無防備に近づかないことで、買わなくていい商品に手を出さないようにする、というのも一考だ。