【仕事と私生活の両立を支援】

柔軟な労働時間制度は、少なくとも3つの面で定着を強化する。企業が質の高い保育など、社員が必要とする資源を利用しやすくすれば、社員と組織の絆を強化するとともに、その会社から離れる際に払うことになる犠牲を大きくする。このような支援の案をいくつか挙げてみよう。

・現役社員および元社員のための子育てネットワークを支援する
・社内保育施設またはエクササイズ施設を設置する
・勤務スケジュールを作成する作業に社員を参加させる

ニューヨーク市に本社を置くデロイト・コンサルティングは、出張がコンサルタントとその家族に与える負担を緩和するために、コンサルタントが遠隔地に出張する際には、3泊4日を限度とし、5日目にはオフィスに出勤するという方針をとっている。そうすることで、どの週にも出張している夜(3泊)より自宅にいる夜(4泊)のほうが多くなる。ちなみに同社は業界で最も離職率の低い企業の1つである。

社員に地域の奉仕活動に貢献するよう促すのも賢明な策である、とホルトムは言う。なぜなら、それは企業と社員が重要な価値を共有していることを明白にし、また、その社員と地域社会との絆を強める結果をもたらすからだ。

優秀な社員の会社や地域社会との一体感を高め、彼らの会社や地域社会との絆を強め、会社を離れたら犠牲を払うことになると感じられるほどすばらしい全体的な労働経験を生み出すとき、企業はトップクラスの人材をしっかりと引き留めることができるのだ。

(翻訳=ディプロマット)