お金が貯まる人の財布といえば、長いものでお札の向きは揃えていて……など、一定の法則を言われることがあるが、それを否定する向きもある。投資家から企業家まで、実際に9人のお金の賢者の財布を覗かせてもらった。

一方、意外に財布そのものに無頓着な人も多い。その代表が放送作家の小山薫堂氏だ。ほとんどの決済がクレジットカードと電子マネーなのでカードも現金も名刺入れに入れてしまい、財布はない。よく使うカード類を「一軍」と呼び、比較的出番の多い会員カードやポイントカード、免許証などを「二軍」、あまり使わないポイントカードなどは「三軍」に分類している。「三軍」は輪ゴムで束ねられ戦力外通告を受けた悲哀をかもしだしているが、もちろんそれは小山氏の遊び心。カード入れなどものを選ぶときは「使い込んで汚れるほどカッコよくなるもの」という美学に基づいている。

放送作家●小山薫堂さん
「財布は持ちません。カードは1~3軍に仕分けます」
「会食に行くときに邪魔」なので財布は常に使わず、エンリーベグリンの名刺入れに「1軍」と名づけた普段よく使うクレジットカード数枚と3万~5万円の現金を入れている。名刺を出すときに現金が見えるのだけが難点とか。ほかに「2軍」カード入れに一澤信三郎帆布製の名刺入れ、「3軍」はオレンジ色のポーチに入れ、定期的に昇降格させる。小銭は小銭入れで管理。
 

莫大な資産を持つ投資家のジム・ロジャーズ氏も財布にはこだわらない。

「15年使ってボロボロになったので昨年、もらいものの長財布に交換した」という。カルティエだが、本人は言われるまで気づかなかったとブランドには無頓着。中身はクレジットカードと各国のキャッシュカード合わせて20枚くらい。華美な暮らしには興味がなく、あまりお金は使わない。子どもたちには、小さいうちから貯金箱を与え、ベッドメーキングなどの仕事をするたびにお金を渡して、お金や労働の大切さを学ばせているという。

投資家●ジム・ロジャーズさん
「財布はもらいもの。子どもには早いうちから貯金箱を渡します」

現在は、プレゼントされたカルティエの長財布を使う。古くなっても気にせず壊れるまで使う主義(前の財布は15年使用)。財布の中にはアメックス、ダイナース、ディスカバーなど主要ブランドのクレジットカードと各国のキャッシュカードを入れていて現金はあまり持たない。子どもの貯金箱はドル、ユーロなど通貨別に複数渡している。