国民の同意があるなら道州制をやればいい

【塩田】長い政治家人生で一番、尊敬している政治家は誰ですか。

【片山】私は竹下登元首相です。この人は我慢強く、人を立てる。それから徳がありました。知らない人でも、私らの後援者を連れていくと、丁寧に付き合っていただいた。本当に誠実な人だと思いました。だから、人が集まってくる。能力はそんなに抜群だったとは思いませんでしたけれど。

【塩田】政治家として達成したい目標、残りの政治家人生でこれだけはやっておきたいと考える仕事は何ですか。

【片山】自治省出身ですから、やはり地方分権、地方活性化ですね。地方が元気にならないと、この国自体が元気にならない。そこは橋下さん、石原慎太郎さんとも共通しています。私は森喜朗内閣と小泉純一郎内閣で2000年から03年まで、3省庁合併前の最後の自治相兼郵政相兼総務庁長官と初代の総務相をやりましたが、そのとき、お二人はすでに知事でした。言うことを聞かない知事でしたが(笑)。

それから、維新にいて、若い人々らとこれだけ付き合ってきましから、今の維新の人たちが将来しっかりと役割を果たして行けるように、私なりに考えたい。役人、議員を通して、地方自治の充実・発展、地方活性化をライフワークのつもりでやってきましたから、これも仕上げたいですね。地方創生も、地方にもっと権限や財源を与えれば大部分は解決する。それが根っこの問題です。また、道州制に国民の同意が得られるなら、やったらいいと思います。

片山虎之助(かたやま・とらのすけ)
参議院議員・維新の党総務会長兼参議院議員会長
1935年8月、岡山県笠岡市生まれ(現在、79歳)。岡山県立岡山朝日高校、東京大学法学部卒。58年に自治庁(現総務省)に入庁。静岡県総務部長、岡山県副知事、自治省大臣官房審議官などを経て消防庁次長で退官。89年の参院選に岡山県選挙区から出馬し、初当選。以後、当選4回(現在は比例区)。自治相兼郵政相兼総務庁長官、総務相を務めた後、参議院自民党幹事長となるが、2007年の参院選で落選。10年に自民党を離党して「たちあがれ日本」に入党し、参院選で返り咲く。太陽の党の結成を経て日本維新の会に合流。分党後も維新の党に参加し、重鎮として存在感を示している。日本消防協会会長も務めた。著書は『共存共栄の思想』『私の地域創造論』など。名前の虎之助について、「子供の頃は、呼ばれるとみんな笑うから嫌だったが、選挙のときは覚えてもらえる」と笑いながら語る。
(尾崎三朗=撮影)
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