原則1. 帰る時間は何があっても死守する

第一の原則は、帰る時間を死守することです。

退社時間は、激しい緊張感を持って根性で守るのがポイントです。このコミットメントが弱いと、結局だらだらと残業をして低い生産性からなかなか脱出できません。時間のキャパを制限するからこそ高密度化が実現するのです。

これは、荷物を減らすのと同じです。

荷物を減らせないのは、かばんが大きいからです。その場合、どんなに取捨選択をしましょうと言っても、「いや万が一使うときがあるかも」「これは必要かもしれない」と結局あれもこれも詰め込んでしまいます。

問題は、取捨選択の基準をいくら強調しても感情面で「不安」がある限り簡単に手放せないのです。

そこで最も即効性があるのが、かばんを小さくすることです。

入れられる荷物の量に制限があれば、減らさざるを得ません。この強制力が働くと不思議と取捨選択の基準が本人の中で明確になります。手放す勇気が出るのです。制限を設けることで、不安という感情に負けて取捨選択をやめるという容易な手段に流れなくなります。

▼自分の退社時間を絶対ルール化する

これは時間の効率化でも全く同じことが言えます。

働く時間がそれまでと同じだと、「今やっておきたい」、「どうしても人に任せられない」、「早く帰るのは難しい」という感情に引きずられてしまい、結局密度は変わりません。なぜなら「かばんの容量」が大きいから。仕事の場合は「働く時間」が容量に当たります。

だから働く時間に制限をかけて、それを絶対ルールにすること。

ここから働く時間の高密度化が始まります。

この緊張感やコミットメントが弱い中で、テクニックを駆使してもあまり改善は見込めないというのが私がコンサルティングをしてきて得ている実感です。

最初の1週間は、仕事が終わらないまま帰らなければならない日が続きます。仕事のやり方が改善していないからです。でもそれでいいのです。高密度化は、今まで通りでは終わらないという事態から工夫が始まるのです。

仕事のスタイルを変えるのであれば、過渡期の苦しみを覚悟しておく必要があります。未完了感、切迫感、不安、自己嫌悪感と共に過ごす時期が必要なのです。

どうしても時間が足りない場合は、翌朝早く出社して取り戻すというルールで乗り切ってください。