「マネーの虎」の虎は「張子の虎」だった

では、実際に成功した富裕層が書いたサクセスストーリー本はどうでしょうか。

これには多分に有益な内容が含まれています。有能な方のサクセスストーリーは、ほんとにすばらしいという着眼点が随所にみられ、卓越したアイデアに驚かされます。

が、しかし、1点だけ問題点があります。

このサクセスストーリーは後から再編集されて1つのストーリーになっているのですが、途中は人様にはお話できないような事情が混じっていることがあります。ここは編集上カットされる部分なのですが、実はここの力が効いてきて成功しているというケースは多いです。

だから、表面上、破竹の勢いで事業を成長させている人であっても、実は別の表にしないが利益率の非常に大きい裏づけがあったり、非常に強い裏の力があったりというケースもあります。

ここの部分を僕が一般の読者の方にどう説明していったらいいのか、オブラートに包んだ架空の人格を作って、かつ事実の本筋は曲げないで伝えていけるかという点は悩ましいところです。

ただし、ここでも「何を語るか、よりも誰が語るか」が真実を示しているというルールは当てはまります。

昔、「マネーの虎」(日本テレビ系:一般人の起業家および起業家志望者が番組内で事業計画をプレゼンし、投資家たる審査員=企業の社長らが出資の可否を決定する内容)という番組がありましたが、ほとんどの審査員である「虎」が、その後会社を倒産させてしまいましたよね。「張子の虎」だった訳です。成功本を出した富裕層は本を出してから5年ほど経ってまだ本人が潰れてなければ参考にしてみてもいいかと思います。

▼こんな人は一生お金に好かれない

さて、ここからは具体的なノウハウについてお話していきます。

まず、一般の人が考える「富裕層になる方法」についての考えを、ダメ出ししておきます。

おそらくこんな段取りをイメージしているのではないでしょうか?

(1)サラリーマンをしながら貯金をする
(2)貯金をしたお金で脱サラして店でも出す
(3)店をどんどん大きくしていって、お金を貯める
(4)富裕層になりました

それ、無理ゲーです。かなりクリアする難易度が高いです。

考えてみてください。飛行機が離陸するときエンジンが凄い音を出しますよね。だいぶ力が入っていると思います。ところが、しばらくたって高度が安定してシートベルト着用サインが消えたらエンジンはおとなしくなります。

富裕層になるのもこれと同じで、(1)と(2)が一番難しくて、(3)と(4)はそれほどでもありません。

最初に、一番の難関があなたに襲い掛かってくるのですから、それは無理です。

だから、理詰めで富裕層になろうと思ったら、飛行機でいえば機体が安定してきて高度を上げている状態で経験値を積むべきなのです。

決して低速で低高度で離陸のために限界の出力を出している状態で経験値を積むべきではないし、そういったぎりぎりの状況で経験値を積もうとすると余裕がないから失敗しやすいです。