奥の手●苦手なタイプは「仕事・家族・趣味」で攻略

どんな人とも話が途切れないコツ

相手が自分の苦手なタイプ、あるいは寡黙な人の場合、どう話をつなげていったらよいかわからないという人がいるかもしれない。

お得意様へ行くとき、担当者から「この会社の社長はあまりお話しされないほうです」と耳打ちされることもある。そう言われていても、相手の社長が話さないことはなかった。

相手と話が盛り上がらないのは、相手の土俵に乗って話していないことが最大の原因である。事前にしっかり準備をし、こちらの姿勢を低くして、目線を合わせ話していけば必ず相手はいろんなことを教えてくれる。

相手の仕事、家族、趣味。これら3つの玉を準備しておけば、必ずどれかに引っかかるものだ。家族や趣味の話から仕事の話につながっていくこともある。子どもの話もいい。2度目以降に会う相手なら、「そろそろ小学生ですか」などと声をかければ覚えていたことを喜んでくれ、場が和むことが多いからだ。

社長だからといって、相手が自動的に話してくれるというほど甘いものではない。頭で考え、ハートを燃やし、腹をくくり、足を使って現場を歩き、最後に口で話すのが社長の仕事であり、私はずっとそうしてきた。

頭で考えてすぐ言葉にできる人は、確かに頭がよく語彙も豊富なのだろうが、言葉に重みがない。ハートを燃やして腹をくくり現場を歩いた人は、言葉に重みと具体性がある。そんなベースの有無が、話を盛り上げられるかどうかに関わってくる。