この職場にとってなくてはならない存在

自己受容と仲間への信頼の感覚を身につけていくと、その共同体に所属しているという感覚が生まれる。所属の感覚とは「自分の居場所がここにある」という感覚である。ただ配属されたからそこにいるというのではなくて、「私はここにいて自分の能力を発揮できるし、周りの人を信頼することができる。だから私がここにいる意味がある」ということを確信しているということである。「意味がある」ということは、「私はこの場所になくてはならない存在である」ということを感じているということだ。

所属の感覚を持てるようになると、仕事上のほとんどの困難を乗り越えていくことができる。いかに早く新人に所属の感覚を持ってもらうかということが分かれ目となる。

そのためには、新人の周りの人たちが「あなたはこの職場にとってなくてはならない存在」であると感じることである。逆に「この新人はじゃまだ。私たちの足を引っ張る」と感じているならば、すぐにそれは新人に伝わり、所属の感覚を持つ可能性は小さくなってしまうだろう。

そして、所属の感覚があってはじめて共同体への貢献の感覚を持つことができる。貢献の感覚とは「自分が自分の能力を使って、仲間のために役に立つことができる」という感覚である。このような貢献感を持てるようになると、そんな自分をさらに受け入れることができ、自己受容の感覚につながっていく。これで4つの感覚が一連のプロセスとなって回っていくことになる。