さて、こうして社長に親しい立場を手に入れたあなた。実際の讒言ですが、いかにお近付きになれたからといって、日頃の妬みと嫉みのままにライバルへの罵詈雑言を連ねればよいというものでもありません。社会人ですからね。あなたの品性のほうが疑われてしまいます。そうではなく、むしろ褒めてみてはどうでしょうか?

「彼は大変に清廉潔白で、極めて正義感が強く、特に身持ちの固さで知られ、浮気や不倫などといった破廉恥行為を蛇蝎(だかつ)の如く嫌っている、誰もが見習うべき高潔極まる男です。もはや仏陀」

などと告げてはどうでしょうか? 社長は涼しい顔を保ちながらも内心ではギギギと顔を歪めているはずです。なぜなら社長という人種はほとんど例外なく女好きであり浮気の1つや2つはしているのが常態だからです。あなたはライバルを称える体で、その実、ライバルが「社長の悪行を絶対に許さない敵」であるという認識を社長に植え付けることができるのです。これが後々ボディーブローのように効いてくるはずです。

同様に、「いつまでも若い」「女にもてる」「奥さんが美人」「子供が有名私立小学校に受かって学費が大変だけどがんばってる」などとライバルを称えるのもいいですね。頭髪が薄くなり女にモテず奥さんが不美人で子供がグレた社長は歯ぎしりを隠せぬはずです。

作家 架神恭介
1980年生まれ。広島県出身。早稲田大学第一文学部卒。『戦闘破壊学園ダンゲロス』で小説家デビュー。『完全覇道マニュアルはじめてのマキャベリズム』『よいこの君主論』など著書多数。
(撮影=村上庄吾 写真=amanaimages)
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