自分を主語に働いているか

私の入社時の心の変化は、心理学的見地から言えば、能動パターンに入っているか、受動的パターンに入っているかの違いです。

受動的パターンとは、自分を受身的な立場から見ており、外的要因に自分は常に左右されると考えています。

つまり、会社の人事のせいで自分はモチベーションが下がっている、仕事に情熱が持てない、将来の展望が見えない、と考えている状態。会社の配属という外的要因に完全に支配されていたのでした。

こういう時の言葉の使い方としては、

「~させられている」「~しなければならない」「私にはできない、無理だ」「~がない」「何もできることはない」「次は一体、何が起きるだろう?」

といったネガティブなものになりがちです。

一方、私が本に出会って変わったのは能動パターンに入ったからでした。

能動的パターンとは、自分を能動的な立場に置き、 行動志向で自分を主語にして物事を考えます。 だから、常に選択できるという感覚があります。

私には会社をやめるか居続けるかの選択はできる、今の場所で私はパソコンの知識を得られる、営業スキルを磨くことができるというように、自分を主語にその環境で何ができるかを考えている状態でした。

こういう時の言葉の使い方としては、

「私は……を選ぶ」「私は……と決める」「私は……できる」「代替案を考えて見よう」「今、何ができるだろう?」

といったポジティブなものになるでしょう。

イライラしたり、不安になったり、恐怖心を感じたりするのは、前述の外的要因が自分の存在よりも大きい時です。その外的要因とは具体的に言えば、会社や上司、経済、未来(将来)の不安事項です。

しかし、これは意識の問題であって、言葉の使い方を変えれば一気に変わります。たとえば、「会社に~させられた」ではなく「私が~する」に置き換えることです。

身近な例でいうと、電車の遅れを待つのはイライラさせられるものです。この時、電車の遅れという外的要因にコントロールされてしまいます。しかし、そこで本を読んだり、手帳に仕事の計画を書いたりすることでイライラを抑えることは可能です。外的要因の支配から逃れ、自分で時間をコントロールしているからです。

不安も同じです。年金がもらえるかどうか不安というのは、定年後自分は稼げないという前提に支配されているからです。今の時代、長年のサラリーマンの経験を元にフリーでコンサルタントになることもできます。実現すれば60歳以降、多少なりとも収入を得ることができ、生活費の心配しなくてもすみます。もちろん、自分でコンサルティングスキルを学んだり、経験を棚卸ししたり、マーケティングの勉強をしたりして事前に準備をする必要はあります。

政府の施策はコントロールできないので、自分でできることに集中するしかありません。