「賃貸で入居時の費用を抑えたいなら、礼金なしの物件を選ぶこと。最近の新築物件には、間取りプランをオーダーできたり、リフォーム可能な物件も出てきています。遮音性など住宅性能にこだわるなら、個人オーナーよりも大手デベロッパーの物件に目を向けるといいでしょう」

マンションについては、人気物件さえ選んでおけば、階数や向きなど住戸位置にかかわらず価格は落ちにくい。

「眺望のよさから高層階に住みたがる人は多いのですが、どんな絶景でも毎日眺めていれば飽きる。買いやすい価格の中・低層階を選んで、眺めは共用施設のラウンジで楽しめば十分だと思いますね」

南向き信仰を捨てるのも、お得な買い物をする秘訣だ。

「大田区や品川区のタワーマンションは、湾岸エリアの夜景が広がる北向きのほうが人気がある。日当たりも前が開けていれば北向きでも明るく、むしろ夏は涼しくて過ごしやすい。日中は家にいないディンクスなら、なおさら向きにこだわる必要はないですね」

一戸建ての場合は三井、三菱など大手ブランドのハウスメーカーにこだわると、どうしても価格が高くなりがちだ。安く買いたいなら、地場のパワービルダーの物件を狙うといいと山下さんは言う。もしそれに不安を感じるなら、耐震性など構造部分の診断を専門家にしてもらうという方策もある。

「住宅業界全体で言えば、地価上昇のあおりで物件価格を上げたり、価格を抑えるために一戸あたりの面積を絞る傾向が出てくるはず。また、市場金利の上昇から、住宅ローンの金利が上がることも見込まれます。もし、家を買うつもりがあるなら、早めの購入がお勧めです」

検討だけでもしてみてはいかが。