「ラクチン型」はリーダーがよく働く職場には出現しない

それでは、各タイプのフリーライダーに組織として、どう対処していくのが効果的なのだろうか。

(1)「ラクチン型」への処方箋

ラクチン型がはびこるのは、「楽ちんをしていても、それなりの処遇が手に入る」からである。

それゆえ、「健全な成果主義」を入れることが対策になる。気をつけていただきたいことは、単に成果主義を入れればいいというわけではないことだ。成果主義という名前の制度を導入していても、ラクチン型が多くいる会社はたくさんある。

では、ラクチン型がほとんど見られない会社の成果主義は何が違うのか。

「健全な成果主義」と呼べるためには、どのような制度と運用の徹底が必要なのか。

拙著『フリーライダー あなたの隣のただのり社員』(河合太介・渡部幹著、講談社現代新書)の取材で、このタイプに対するモデルケースになったのが、教育の「ベネッセコーポレーション」と、アパレルの「ワールド」である。この二社に共通する特徴は、「上から順番に厳しい」「上の人がよく働く」ということであった。