「あってはならないことですが、名刺を切らしてしまった場合には『申し訳ございません』と非礼を詫びたうえで、職場に戻ったら一筆書いてすぐに郵送するように。営業マンのなかには、わざと名刺を切らしておいて、丁寧な手紙とともに名刺を送って印象を強くするという人もいますが、これは新人にはお勧めしません」

もらった名刺はその日のうちに整理するクセをつける。顔と名前を一致させて覚えるのは簡単そうでいてなかなか難しい。名刺ホルダーにしまう際に復習して覚える努力を心がける。また日付や用件、相手の特徴などもメモしておくと、思い出す糸口にしやすい。

「名刺交換はほんの短い時間ですが、相手に自分を強く印象づけるビジネスチャンスの一瞬です。たんに名前と連絡先の交換だと思ってはもったいない。一期一会の真剣勝負なのです」

●名刺交換の心得
1.先に名刺を出す。とにかく先に出されたら負けのつもりで相手より早く名刺を出す。
2.名刺は相手が読みやすい向きに変えて、1、2歩前に出る。
3.差し出す際は、社名、所属と名前をゆっくりはっきりと伝える。
4.相手の目をしっかりと見ながら、相手の胸の高さに差し出す。
5.テーブル越しではなく、相手の正面に立って行う。
6.名刺をいただく際は、軽く会釈して「頂戴いたします」と、右手か両手で受け取る。
7.名刺をもらった後は、すぐにしまわず、しばらく机の上に出しておく。

●名刺交換術
1.受け取ったら、名刺を見ながら、相手の名前を復唱する。「○○様ですね、よろしくお願いします」
2.「お時間をいただき、ありがとうございます」の+αの一言をつけ加える。
3.名刺を切らしていた場合は、「申し訳ございません」と非礼を詫び、後日、名刺とともに一筆書いて郵送する。
4.同時名刺交換の場合、片手(右手)で受け取ることもある。受け取ったら左手も添える。

マナーコンサルタント 宗像智子
MOMO Style 代表。ライフスタイルマナーコンサルタントとして企業向け研修を数多く行う。著作に『知って得する モテる男のマナー講座』がある。
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