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頭の体操! 比較の尺度が違うものをグラフ化(写真=PIXTA)

というようにグラフにはそれぞれ長所・短所があるが、ビジネスでは柔軟な発想も大事になる。図を見てほしい。ゴミの分解時間について種類ごとにまとめたものだが、これをわかりやすく見せるためにグラフにするとどうなるか。

一見、棒グラフが適しているかに思える。しかし実際につくってみると、わかりにくい。分解時間に合わせて棒の長さを決めると、「数日」と「100年以上」では差が大きすぎるうえ、データ量が確定していない(1~3年以上、100年以上など)ため、棒の長さを決められないからだ。そこで私がつくったのが右側の絵だ。グラフ化できないため、データをわかりやすくイメージしたものだ。これが正解ということではない。みなさんも自分なりに考えてみてほしい。

実はこの問題、知識や技能を実生活で直面する課題にどの程度活用できるかを評価する「PISA型学力」を測るものとして小学生向けに出題されたもので、元の問いは「このデータを表すのに棒グラフが適していない理由を述べなさい」であった。ビジネスシーンでも答えは1つとは限らない。さまざまな角度から考え発想する力、アイデアが求められる。こうした問題をときどき解いてみて、普段から柔軟な思考ができる訓練をしておくことをオススメしたい。

参考文献:秋田洋和著『仕事の9割は数学思考でうまくいく』

(構成=田之上 信 写真=PIXTA)
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