朝型人間は「よく寝る人」だった

では次に「朝型人間」と「夜型人間」は、その生活パターンや考え方がどのように違うのかを見てみよう。この調査における「朝型」「夜型」は、回答者の自己認識(自分は朝型だと思うか、夜型だと思うか)に基づいている。そこには、単純に起きる時間が早いかどうか、寝る時間が遅いかどうかというだけでなく、朝、余裕を持って起きて、自分のために時間を使っているのか、それとも朝はただ始業時間に間に合うよう「ぎりぎりまで寝ているのか」といった意識が反映されている。

まず平均起床時間は、朝型が5時45分、夜型は6時47分。約1時間の違いがある。また、朝型は「目覚めは良く、起きるのはつらくない」が、夜型は「目覚めが悪く、起きるのがつらい」と答える傾向がある。休日はどちらも平日より遅く起きる傾向があるが、2時間以上も遅く起きる人は、夜型人間が圧倒的に多い。

次に就寝時間。朝型は平均で23時5分に就寝し、夜型は0時46分に就寝する。1時間40分の差がある。起床時間は1時間しか差がなかったわけだから、睡眠時間は朝型人間のほうが平均で40分も長い。早起きの人は睡眠時間が短いイメージがあるが、実際には「よく寝る人」だったのだ。

すると、夜型人間が「朝起きるのがつらい」と感じるのも、無理もない。夜型の人は「朝起きるのが苦手」だから「自分は夜型体質だ」と考える人が多いが、この結果からは、単に睡眠時間が短いから「早起きが苦手」で「夜型体質だ」と誤解している可能性も推測できる。当然ながら、夜型人間は「睡眠時間が足りない」と感じている比率も高い。

もちろん、睡眠時間が短くても、あるいは年収や貯金が少なくても、本人がそれで構わなければ問題ない。

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朝型人間vs夜型人間「朝」と「夜」

アンケートによれば、夜型は健康状態が良い人が少なく、精神的に不安定な人が多い(図上)。配偶者や交際相手がいない人の比率が高く(朝型16%、夜型29%)、幸福度も低い。一方で、朝活をしている人には出世が早く、人間関係もうまくいきやすい(図下)。しかし、仮にそうだったとしても、夜型生活は本人が選んだ道である。

ただ、夜型人間は、「生活パターンを変えたい」と考えている人が圧倒的に多い。では、なぜ変えられないのか? 夜型人間が早起きのデメリットとしてあげたのは、朝起きるのがつらい(30%)、昼間眠くなる(19%)、夜の付き合いができない(14%)といったことだ。どのようにすれば、これらのデメリットを乗り越えられるのだろうか。