一生懸命仕事をして、プライベートも充実させる

上司自らがバランスの取れた人生プランを持ち、実践する<br><strong>BPジャパン社長 脇若英治</strong>●早大卒業後、三井物産に入社。1985年BPオイル・インターナショナル入社、2001年より日本法人で現職。
上司自らがバランスの取れた人生プランを持ち、実践する
BPジャパン社長 脇若英治●早大卒業後、三井物産に入社。1985年BPオイル・インターナショナル入社、2001年より日本法人で現職。

ワークライフバランスという言葉がよく聞かれるようになりました。儒教文化圏によくある滅私奉公の企業社会を問題ありと捉えるようになった証拠でしょう。もっとも、日本ではワーク・ライフ・バランスが「勤務時間と自分の時間のバランスの取り方」のように非常に狭義の意味で使われる傾向があります。

しかし、ワークは仕事、ライフは人生。そう考えると、そもそもワークとライフは天秤にかけるようなことでしょうか。本来は自分の人生の中で仕事をどう位置づけるべきかという問題です。

仕事だけでなく、趣味、家庭、子供の教育、社会奉仕などいろいろな要素が人生の中にバランスよく並んでいるのが、本当のワークライフバランスだと思います。仕事はひとつの要素にすぎない。ただし、どの要素も中途半端ではいけません。一生懸命仕事をして、プライベートも充実させる。それが再び仕事にプラスに働く相乗効果を生み出します。

人生のステージによっては仕事の比重が大きくなることもあります。徹夜で頑張らなければならない日もあるでしょう。それだけでバランスが悪いとは言えません。あくまでも人生全体で見てバランスが取れていればいいのです。

寝る間も惜しんで仕事をしている人は、将来の自分の時間を“前借り”して仕事に使っていると考えるべきです。だから早めにリタイアするなど何らかの形で借りた時間を返す必要があります。ところが日本では、借りっぱなしで人生を終える人が少なくありません。人生全体で収支バランスを取るべきです。