私の小さな会社は先ごろグローバル企業に買収されたのですが、私は現在起きていることに我慢できません。新しいオーナーたちは、われわれを同化させようとして、そもそもわが社を買収する価値のある会社にしていた要素を破壊しています。以前のわが社には愛着がありますが、今では辞めることを考えています。そうするべきでしょうか。(企業上級幹部・ニューヨーク)


 

あなたの言葉がすべてを語っています。あなたは「新しいオーナーたち」と言い、「以前のわが社」と言いました。こうした言葉からすると、あなたは、合併の歴史が始まって以来、買収する側のすべての企業の頭痛の種となってきた存在のようです。あなたは抵抗者であり、自分のやり方を変えないかぎり、いずれにしても長くはそこにいられないでしょう。

たしかに買収を経験するのは辛いことです。あなたの会社が買収されたり、別の会社に吸収されたりしたら……たとえそれが「対等合併」という形であっても……死が訪れたように感じられるにちがいありません。それまで築いてきた職場の人間関係はすべて断ち切られ、あなたが残した実績はほとんど忘れ去られます。未来はきわめて不確実に、そしてともすると厳しく見えます。総じて言うと、買収される側の企業の社員にとって、買収は通常100%悲惨なことのように思えます。

しかし、あなたは現実に直面しなければなりません。優れた企業が買収を行うとき、買い手の側は胸をわくわくさせています。期待に満ち、楽観的な考えで一杯になり、その買収がもたらすあらゆる機会について、夢を膨らませています(たいていの場合、彼らは莫大な額を投資しているのですから)。そうした機会の1つが、買収先の企業ですばらしい人材を見つける可能性です。

新しいオーナーたちが合併したチームの中から最高の人材を選び出そうとするとき、彼らが求めるものは2つあります。能力とコミットメントです。

能力だけでは足りないのです。何百件もの合併や買収を処理したり、観察したりした経験から私たちが学んだことが一つあるとすれば、それは、企業は必ず抵抗者よりも賛同者を残留させたり、昇進させたりするということです。抵抗者のほうが能力的に優れていたとしても、です。

 「古きよき時代」を懐かしんで嘆き悲しんでいる人間をそばに置いておきたいと思う買収者は、世界のどこを探してもいないでしょう。その人間にどれだけ能力があるかは関係ないのです。

結論はこうです。買収した側の経営者は、その買収に賛成でない人間は、すなわち反対なのだと考えます。あなたが反対の気持ちを隠しているつもりでも、新しいオーナーたちにはおそらくあなたの否定的な姿勢が感じ取られるでしょう。だとすると、残るか去るかを決めるのは、遠からぬうちにあなたの側ではなくなるかもしれません。

たしかに変化は辛いものです。しかしビジネスでは、それは避けられません。あなたが取るべき最善の道は、過去に優しく別れを告げることです。新しいボスを歓迎し、新しい組織の価値や慣行を自分のものとし、未来を受け入れる道を見つけてください。

新しい会社が今の自分の勤め先だということをどうしても受け入れられないのであれば、去るべきでしょう。抵抗者はけっして望みのものを得ることはできません。