「自覚症状がなければ、悪い数値でも慌てる必要はない」と生活習慣総合研究所所長の工藤医師。
まずは自分の健康診断表を見直すことから始めよう。

脳卒中が怖いケース

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注目するのはこの検査項目

Bさん 66歳
身長(cm):164.1
体重(kg):71.4
BMI指数:26.5
腹囲(cm):89.0

銀行を定年退職してから運動不足で肥満傾向。下戸だが脂っこいものや塩辛い食べ物が大好き。血圧は若いころから高い。運動が苦手で、部屋で読書や音楽鑑賞をするのが趣味。

doctor's check――血圧、血糖値の高い人は精密検査を
健康診断の結果から、将来、脳血管疾患の危険性ありと疑われる項目はまずは血圧。そして血液検査から空腹時血糖値が高くないか、血液中のコレステロールの状態などを診ます。また心電図に心房細動などの異常がないかも参考にします。精密検査には脳CT、MRI、MRAなどがあります。

突然死を招く脳血管疾患。一命をとりとめても、深刻な後遺症を残すこともある恐ろしい病気だ。要介護になる最大の原因は、脳血管疾患によるものともいわれている。よく“脳卒中”とも呼ばれるが、これは脳の血管が詰まったり破れたりする病気の総称で、脳卒中という病気があるわけではない。

脳血管の疾患には2つのタイプがあり、出血性のものと、閉鎖性のものとに分けられる。出血性の「出血性脳血管疾患」の代表的な疾患が脳出血とくも膜下出血だ。

脳は他の臓器に比べて細い血管が張り巡らされているが、この血管が破れて出血し、脳の中に血があふれだすのが脳出血。突然意識が朦朧としたり、手足がしびれたり麻痺するのが特徴だ。必ずしも頭痛が伴うわけではないが、麻痺やしびれが後遺症となって残るケースも多い。